彼女に始めて会ったのは、私がかつて大きな仕事に成功して、会社での今の地位を獲得するきっかけとなった、日本海側にある支社で行われたパーティーの席だった。
ロシアのインフラは壊滅的な状況にある。ウラジオやハバロフスク、サハリンといった我々にもなじみのある場所でも、ライフラインの安全な運営さえままならない状態だ。
私がその支社のトップだったときに手がけた公共ビジネスは、いまや我が社の売り上げを支える大きな柱の一つになっている。だが、まだまだロシアには新しいビジネスチャンスが転がっているはずだ。
私は対露ビジネスの最前線であるこの支店には愛着がある。だからこそ、ここ何年間かの業績の「安定」振りには大きな不満を抱いている。「特許申請」など正直どうでもいい話だ。私はパーティーの開催を聞き、お祝いと称して現状視察をすることに決めた。
パーティーは午後6時から始まった。女性社員は見な、同僚の結婚式に出るような格好をしている。どうせ今の支社長が号令を掛けたのだろう。馬鹿らしい話だ。「常務がお築きになられたロシアとの交流もますます深まり、今年はウラジオストックから3人の研修生を迎えております。」
私の前に二人の女性と一人の男が紹介された。私の目はそのうちの一人に釘つけになった。これは美人だ・・・。極東ロシアにこれほどの美人がい...
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