「ルルルルルルルルルル ルルルル」
電話が鳴った。
「はい、中村です」いつもの調子で言った。
「あっ、中村しずかさんですね」
「はい、そうです」
「神戸物産人事課の飯田です、最終面接の件でお電話致しました」
「はい?」
「面接会場なんですが、変更がありまして、
神戸支社になりましたのでよろしくお願いします」
(おそらく妹のことだろう」
「はい、わかりました、こちらこそよろしくお願いします」
俺は、中村静香、妹はしずか。
双子だが、当然一卵性でなく、二卵性。
しかし体格から顔つきから、
声の調子など一卵性の双子の女の子と
よく間違われた。
妹は就職先を探すというので
俺の狭いマンションに転がり込んで来た。
しかしレディースのリクルートスーツと旅行鞄を
残したまま友達の家に居着いているようだ。
妹の携帯に電話した。
「おい、しずか!神戸物産から電話で
面接会場が変更になったとよ」
俺はいつも出来るだけ男らしく妹に話す。
「あっ、お兄ちゃん。うーーん、
もうそこは行かなくてよくなったから、
お兄ちゃん断ってよ」
「ばかか、何で俺がそんなこと出来るんだよっ、
おかしいだ...
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